AI社員に仕事を任せたら、今度は社長がAIの仕事を監査することになった【第3話】

かなた社長と開発・監査担当のAIが動画を確認する、第3話のイメージイラスト

どうも、かなたです。

前回は、AI社員に働いてもらうためのルールを作りました。目標は月50万円の継続利益。そして、かなたの仕事はなるべく少なく。

ルールもできたし、いよいよAIに任せて楽になる番です。

……と思ったら、今度はAIの仕事を確認する仕事が始まりました(笑)

今回は、開発中の動画切り抜きツールで起きた話です。「テストに合格しました」という報告と、実際に見た感想が、きれいに食い違いました。

この記事は主に2026年10月17日前後の検証・監査記録をもとにしています。AI社員との掛け合いは、やり取りの趣旨を読みやすく再構成したもので、実際の発言の逐語引用ではありません。

何時間もある配信、面白いところだけ探してほしい

知り合いにYouTubeの配信者がいます。長いゲーム配信から面白い場面を見つけて、短い動画にできたら、動画制作に役立つかもしれません。

ところが、2時間の配信を見返すだけでも結構な仕事です。面白いところを探して、前後の流れを確認して、切り出して、字幕を付ける。

働きたくない社長に向いている作業量ではありません(笑)

そこで、AIに候補探しや編集を手伝ってもらうツールを開発しています。プログラムを書く作業にはCodexを使っています。

以前は音量やコメントなどの盛り上がりも手掛かりに考えていましたが、今回確かめたかったのは、発言の意味や前後の流れから、使いたくなる場面を探せるかということでした。

静かな一言で笑える場面もありますし、叫んでいても、事情が分からなければ面白くないこともありますからね。

テストは合格。じゃあ、面白い動画になった?

当時の検証では、約113分のゲーム配信を対象に解析し、候補から3本のプレビューを書き出せました。機能を直したときに、別のところが壊れていないか確かめるテストも、報告では103件すべて合格でした。

数字だけ見ると、なかなか順調そうです。

開発担当AI:「候補を出して、動画を書き出すところまでできました」

かなた:「おお。あとは面白ければいいんやね」

そして、90秒のプレビューを確認しました。

当時残したかなたの評価は、こうです。

  • 面白さ:NO
  • 展開の結末:YES
  • 区間の自然さ:YES

……いちばん欲しいところがNOでした(笑)

話が途中で突然終わるわけではない。区間も不自然ではない。でも、これを切り抜き動画として見たいかと言われると、そうではなかったんです。

「動く」と「使いたい」は、別の合格だった

ここで分かったのは、テストが無駄だったということではありません。

動画を書き出せないツールでは困りますし、修正するたびに別の機能が壊れても困ります。動作の確認は必要です。

ただし、書き出しに成功したことは、面白い場面を選べた証拠にはならない。

料理でいえば、お皿にちゃんと盛れたかの検査と、おいしいかの確認は別ですよね。お皿が割れていないからといって、味まで合格とは限りません。

今回ほしかったのは、長い配信から「これなら動画にしたい」と思える候補を探して、見返す手間を減らしてくれることでした。

テストの合格数を増やしても、かなたが全部見直すなら、肝心の仕事は減りません。

別のAIに「どこがおかしいか」を見てもらった

そこで、開発した側の報告だけで判断せず、Claude Codeにも、選び方や記録を確認してもらいました。

今回の監査は、主にプログラムや出力ログを読む確認です。監査AIが配信全体を視聴して、面白さを保証したわけではありません。

その確認で、候補の選び方にいくつか問題が見つかりました。

「注目場面」の基準が広すぎた

装備の相談や普通の戦闘実況も、注目候補に入り得る基準になっていました。内容のある会話だからといって、切り抜きとして見たいとは限りません。

「何か話している場面を探す」と「面白い場面を探す」では、頼んでいる仕事が違ったんですね。

話の前後をうまく見られていなかった

場面を短い区間で扱い、前後の情報の区別にも問題がありました。

冗談の前振りが別の区間にあったら、オチだけ聞いても分かりません。反対に、前の話の面白さを、今の場面の評価に混ぜてしまうこともあります。

人間でも、途中から聞いた話には「何の話?」となりますよね。AIにも渡す情報の工夫が必要でした。

順位の数字が、面白さを表していなかった

候補を並べるための点数も、視聴者がどれだけ面白いと感じるかを測った数字ではありませんでした。

しかも、候補に選んだ理由の説明に、判定と矛盾したり、元の発言と合わなかったりするものもありました。

かなた:「説明は立派なのに、根拠が怪しいんやね」

監査担当AI:「その説明も、確認する対象です」

かなた:「確認するものが増えとる(笑)」

左手を顎に添え、右手でカチンコを持つかなた社長と、動画編集を確認するAIロボット2体
挿絵は実際の画面ではなく、AI社員と確認する場面のイメージです。

監査を増やすだけでは、社長は楽にならない

AIが作って、別のAIが確認して、最後にかなたが全部読む。

これを毎回やっていたら、「AI社員を雇った会社」より「AIの報告書を読む会社」になってしまいます。

それは困る。かなたは報告書を読むために引退を目指しているわけではありません(笑)

だから必要なのは、監査を際限なく増やすことではなく、間違いやすかった部分を、次の仕事の基準に戻すことだと考えています。

  • 何を面白い候補として扱うか、具体的にする
  • 普通の会話など、候補から外す条件も決める
  • 前振り・出来事・反応の流れを確認できるようにする
  • AIの説明が、元の場面に裏付けられているか確かめる
  • 実際に採用したいか、確認の手間が減ったかを別に評価する

これらは改善の方針です。今回の記事の時点で、全部解決したという報告ではありません。

いきなり全自動より、まず候補選びを任せたい

理想は、面白い場面を見つけて編集まで全部やってくれることです。

ただ、当面はAIに候補を出してもらい、かなたが採用する場面を選び、編集画面で確認・調整する形を目指しています。

そのとき「採用した」「見送った」「ここから始めたい」といった判断も残して、将来の改善に使いたい。これは、すでに好みを学習できたという話ではなく、これから目指す方向です。

今回の90秒プレビュー評価も、あくまでかなた自身の確認です。一般の視聴者に喜ばれた証拠でも、お客様がお金を払った証拠でもありません。

少なくとも、この検証だけを根拠に「面白さが改善した」「収益化できる」とは言えませんでした。そのため、当時は本番への統合を見送りました。

第2話のルールが、早くも必要になった

前回、AI会社には開発だけでなく、反対意見を出す役や確認する役も必要だと書きました。

今回は、それが必要になる場面が早速やってきたわけです。

ただし、AI同士で話し合って「大丈夫です」となったら、それだけで成功ではありません。最後は、実物と使った結果を見ないと分からない。

第2話では「作れることと売れることは別」と書きましたが、その手前に、もう一つありました。

作れたことと、使いたいものになったことも別。

段階が多いですね。かなたの引退までに、あと何段あるんでしょうか(笑)

社長の仕事を減らすために、任せ方を直す

今回進んだのは、「全自動で面白い動画ができた」という話ではありません。

動作テストと実際の価値を分けて見て、候補選びのどこを直すべきか、少し具体的になったという話です。

この検証から生まれた売上や、登録者の増加を示す実績は、今回の資料では確認できていません。作業時間がどれだけ減ったかも、まだ成果として出せる数字はありません。

それでも、「テスト合格だから完成」としてしまうよりは、次に直す場所が見えました。

読者様がAIに何かを任せるときも、「作業が終わったか」に加えて、「実際に何が楽になれば合格か」を先に決めておくと、確認しやすいかもしれません。

働かないために始めたAI会社。第2話でルールを作り、第3話で監査が始まりました。

社長の仕事が増えている気もしますが、この確認を毎回やらずに済むようにするところまでが、任せる仕組みづくりなんでしょうね。

次に結果を報告するときは、AIが何件処理したかより、実際に使える候補が出たか、かなたの確認が楽になったかを書きたいと思います。

それでは、かなたでした。

第1話:AI会社を始めた理由 / 第2話:最初に作ったルール

仕事

Posted by kanata社長