無料で補助金採択への道!ものづくり、事業再構築など応用可②事業計画書作成編-1

①では申請の流れや必要なことを説明させていただきました。

本投稿では事業計画書の作り方を例を交えて説明していこうと思います。

基本的には補助金ごとに専用サイトがありますのでそこから入力項目のWordデータ(雛形)を入手してその流れに沿って作成しましょう。

今回は事業再構築にて例を作っていきますが、ものづくりでもその他の申請でも下記のように作っていけば応用が利くのでご利用ください。

もくじ

はじめに

公募要領の事業計画書欄↓

①補助事業の具体的取組内容

②:将来の展望

③:本事業で取得する主な資産

④:収益計画

当然ですがWordの雛形もこのような流れになってます。

上記の中でも重要なのは①、②です。③、④については基本的に①、②と数字や辻褄が合っていれば問題ありません。

まずは公募要領を読み解き、書きやすい&読みやすくするために項目分けしていきましょう。

項目を作る

公募要領の項目をさらに項目分けして何を書いていくか明確にします。

まず①の補助事業の具体的取組内容から。公募要領の必要であろう箇所をマーキング、特に大切なところを赤マークします。

①:補助事業の具体的取組内容
1 現在の事業の状況強み・弱み機会・脅威事業環境事業再構築の必要性事業再構築の具体的内容(提供する製品・サービス、導入する設備、工事等)、今回の補助事業で実施する新分野展開や業態転換、事業・業種転換等の取組、事業再編又はこれらの取組について具体的に記載してください。
事業実施期間内に投資する建物の建設・改修等の予定、機械装置等の型番、取得時期や技術の導入や専門家の助言、研修等の時期についても、可能な限り詳細なスケジュールを記載してください。

ほとんど赤マークです(笑)ピンクマークもほぼ必須です。

このまま①現在の事業の状況、②強み・弱み、③機会・脅威・・・といったように項目を作ったら間違いありません。

これらが全て入った文章を書ければ項目名は何でも良いかと思います。例えば「現在の事業の状況」が「弊社について」でも問題ないということです。

仕事や遊び、何の場面でも初めての相手には名刺交換や自己紹介をしますよね。

それと同じで申請する会社、人、事業の内容を知ってもらうことが重要です。

審査する側になって考えてみると誰かも何をしているのかもわからない人に補助金採択なんてしませんよね。

できれば会社の写真(集合写真や仕事風景など)があると雰囲気が伝わるのでより良いです。

ちなみにできるだけ図や表、写真等を使って読みやすいものを心がけましょう。文字ばかりで構成された書類は読むのに時間がかかる上理解しにくいです。

審査員さんは一人で何件もの事業計画書を審査されます。

すべての事業に精通しているわけではないので特殊な事業で専門用語を多用すれば何が何やら分かりません。

審査員さんも人間です。何件も読まないといけない上に文字ばかりだとうんざりもします。

内容が最重要ですが読みやすい書類にすることを心がけましょう。

ちなみに公募要領に以下があります。

(参考)経済産業省において、市場動向等を簡易に把握できる「統計分析ツール」を新たに開発、公開しています。鉱工業品約1,600品目を対象として、簡易な操作で生産動向等をグラフ化することができます。必要に応じて、自社の事業計画作成にご活用ください。 具体的な活用方法を分かりやすく解説する動画もあわせてご覧ください。
・統計分析ツール「グラレスタ」のURL:https://mirasapo-plus.go.jp/hint/14583/ ・解説動画のURL:https://www.youtube.com/watch?v=eOJtZc2jTcE

これはつまり

市場動向等の文章あるよね?そのときはこれ使ってね?

ってことなので使える場面では絶対使いましょう。

図や表、どこかから引用することがあると思いますが、誰が書いているかもわからないブログ(例えば今読んでいるこのブログ)から引用するのはやめましょう。

誰が書いたか分からないものは信憑性が低いです。探しても存在しない場合がありますが、できるだけ公共機関が発表しているデータ等を引用してください。

その際、前記の「グラレスタ」もいいのですが、内閣府や経済産業省が公開している地域経済分析システム「RESAS」等も活用できるかと思います。

「RESAS」は県ごとの産業や経済、消費マップ等色々なデータが見られますのでこちらも使えるときは使いましょう。

これらを踏まえて次章ではブログサイト作成を例に作ってみます。

①:補助事業の具体的取組内容 作成例

ここではブログサイト作成を補助事業とする事業計画書を作ってみます。

現事業については適当に機械メンテナンスを生業とする設定で書いてます。(機械メンテナンス会社の知識が全くないのでそんなことできない、みたいなことも書くかもなので注意)

では以下ご覧ください。(語尾は何でもいいと思いますが今回は丁寧語でつくります)

1.会社説明、強み、業界の動向

↑会社の写真や作業風景等があるといいです。

弊社は1991年10月10日に設立し、以来30年間にわたって、大手企業や地場の工場にて様々な設備・機械の設置、メンテナンスを行い成長してまいりました。

具体的には新規設備の選定から設置、既存設備の定期メンテナンス、改造・修正を行っています。

30年間の蓄積により依頼通りの仕事は当然ながら、費用を抑える機械の選定やより高効率をたたき出すための改造・修正の提案等もこなし、顧客に役立つ企業であると自負しております。

そのため顧客に相談をされたり、間違いを訂正したりすることも多々あり、大きな信頼を得ており、それが弊社の強みになっております。

現在工場の設備・機械は長年の使用による劣化が著しく改造依頼や修正、新規設置の依頼も多くあります。

大規模な工場ほど古くからの機械がたくさんあり、その分需要もあります。

製造機械、工作機械、一口に機械といっても様々な種類があり、機械メンテナンス業務自体がなくなることは現状ないと考えております。

↑こんな感じで会社紹介や強みを書いていきます。事業内容は必須ですが業界の動向は絶対に必要というわけではないです。

2.取引先

株式会社1、株式会社2、3株式会社、有限会社4 他県内外工場

↑取引先は書けるのであれば書いた方が良いです。もし大手企業の名前があれば信頼度が上がりますし、仕事内容のイメージができることもあります。

3.現在の問題点

弊社は、2の取引先にもある通り、主に○○の業界にて機械メンテナンスを行っており、10名にて業務をこなしております。

↑人数を入れてあげると会社規模が分かりやすいです。

ただ、昨年4月より新型コロナウイルスの影響を多大に受けており、取引先の営業停止や構内立入禁止、さらには取り掛かっていた案件もストップがかかり、新規依頼もない状態が続き、健全な営業を行えない状態が長くありました。

現時点では多少依頼がありますが一昨年の売上を大きく下回りおよそ80%減少しております。

いまだ新型コロナウイルス終息の目処は立っておらず、この先どれ程続くかも不明です。これまでは政府の施策である給付金や補助金、融資によりなんとか存続できておりますが、このままですと倒産せざるを得ないところまで追い込まれております。

↑上記の説明をエクセル等で作った表で可視化します。文字だけでなく図や表などを添付すると分かりやすくなります。

事業再構築補助金については基本的に事業再構築の必要性がある事業のためのものですのでここが危機的でない状況では採択されにくいかと思います。

4.事業再構築の内容

この項目は機械導入や建設等、申請者さんによって内容が多岐にわたるので例が書きにくいのですがここでは誰にも似たり、該当したりしないよう、前述したようにブログ作成にて例を書いていこうと思います。こんな感じかあ、と思って流れだけ見て頂ければと思います。

現事業はできる限り存続させる努力を続けていきますが、今後の雇用維持が危ぶまれることを鑑み新分野展開し、工場の稼働に関わらない収入源を確保します。

新事業展開に向け弊社は

「少人数で実施できること」「ランニングコストが極力かからないこと」を条件としております。

本事業では、上条件を満たすブログ運営による収益を計画します。

新型コロナウィルスの影響により多くのサービス業が厳しい経営を強いられる中、国民全体の在宅時間が増えたことによりデリバリーサービス、インターネット需要が爆発的に増加しています。

テレワークや買い物、教育に至るまで様々な事象をインターネット上で行える昨今、ブログで情報発信して収益を得る事は可能です。

現事業は特殊な知識を必要としライバル企業が少なく、知識の共有や発表の場にも成り得、既存顧客はもちろんの事、日本、世界の潜在的ニーズを発掘する場に展開できます。

情報を一方的に発信するだけでなくブログ閲覧者からコメントやコンタクトを取ることもでき、様々な活用が可能になります。

↑なぜその事業を始めるのか理由が分かるような文章があると受け入れ易くなるかと思います。

5.本事業の現況・市場

上図は平成21年7月総務省公表の「ブログ・SNSの経済効果の推計」より抜粋したブログの収益構造になります。

ブログ利用者はEC、アフィリエイト、出版、広告市場などから広告や記事、スペースを提供しそれに伴い成果報酬や印税、掲載料を得、売り上げとします。

上グラフは同「ブログ・SNSの経済効果の推計」から市場規模の推移を抜粋しました。

総務省は2010年度には183億円の市場規模になると予測しています。

これは現事業の関係が深いエネルギー供給・産業インフラの保全マネジメントの市場1,882億円(2013年富士経済グループより)に対しおよそ1/10ですが費用対効果を加味すると巨大な市場と言えます。

ブログ運営の現状としては、動画配信サイトの登場により、落ち込みつつありますが有益な情報を発信、執筆能力が高い等のブログサイトの売上は高く、様々有りますが300万~1,000万円の売上を見込めます。

↑適当に検索した情報なので古いです。

皆さんが事業計画を作成するときはできるだけ最新の情報を探して使用してください。

そしてできる限り公共機関が発信する情報を選出してください。

6.具体的なサービス内容について

前述した通り本事業ではEC、アフィリエイト、出版、広告市場などと提携し、成果報酬や印税、掲載料を売り上げとしますので高い執筆能力や様々な知識を要します。

具体的に弊社が行うのは現事業の情報や知識の提供です。

プロが行う機械の選定や、改造・修正の情報は様々な情報が飛び交うインターネット上にもなかなかありません。

さらにあったとしても検索しにくいワード(専門用語や機械名)でしか引っかかりません。

そこで一般に検索しやすいワードにて熟練者が持つ情報や知識を提供しつつ機械や技術の販売をします。

それをすることによりブログ市場183億円にも保全メンテナンス市場1,882億円にも参入できます。

↑サービス内容(事業内容)は重要です。ここでは思いつかなかったのでこのくらいしか書けませんでしたがここは力を入れて書いてください。

ここで新事業を始めるに当たって問題点があれば書いて、その解決策も書きましょう。

簡単に言うと、

問題点「機器を導入するけど経験がなく操作に不安がある」

解決策「操作トレーニングや講習を受ける」といった感じです。

思いつく限り詳しく書きましょう。

7.導入設備

ブログ運営に必要なものとして

  • 事務所
  • パソコン3台
  • 事務机・椅子3セット
  • サーバー
  • ドメイン

が挙げられます。

↑適当です。ちなみにパソコンは汎用性があるので補助対象にはなりません。ここでは例なので補助対象ではないものも経費として作ってます。

機器を導入する場合は機器名・スペック・写真を入れて、その機器を導入するとどんな効果が得られるのかを説明しましょう。

現在と導入後どうなるかという比較の文章、図や表などを挿入して導入前と導入後の違いがはっきり分かるように可視化してください。生産効率が何%上昇する、何%の○○が見込める、のようにパーセントや割合を示すと分かりやすいです。

費用については必要性を訴えましょう。

「事務所について」

事務所は現事業所に追加建築することにより確保します。

現事業所の南側に50㎡の部屋を追加します。(何回も言いますが適当に書いてます。)

建築費用は以下になります。

費用はちゃんと見積もりを取りましょう。2社以上の相見積必須です。見積書が必要になります。

2021.7/9追記

一次公募では建築費用が入った応募はほぼ100%採択されなかったようです。

要領に入っているのに建築費用が入ると非採択という現状はよく分からないので2次以降は少し緩和されるのではないかと考えてます。

「パソコンについて」

パソコンはHP社のSpectre x360 14を購入します。

corei7、16GBメモリ搭載で1TBのSSDがあり、複数の同時作業にも耐えられます。

タッチ操作やペン操作も可能で本事業を行う上で最適な機種です。

金額は20万です。3台必要なので20万×3台=60万になります。

↑機器等についてはスペックなど詳細を書きましょう。なぜこの機器なのかという点がわからないと説得力に欠けます。

「事務机・椅子について」

事務机・椅子については上記を購入します。セットで安価なため本商品に決定しました。

机椅子セットで1万円になります。1万×3セット=3万円になります。

「サーバー・ドメインについて」

サーバー・ドメインは費用対効果を考慮し、エックスサーバー社にてセットで5万円になります。

↑本来はマーカー部の説明を入れた方が良いです。ここでいうと例えば通信が他社より高速、自動で画像圧縮してくれるので画像データをたくさん入れても重くならない等詳細を書いた方が良いと思います。

ちなみに本ブログはXサーバー使用して作成しています。5万は適当です(笑)

8.費用まとめ

前述した費用をまとめると以下のようになります。

9.実施スケジュール、組織図

↑こんな感じで表を作ると分かりやすいです。担当者欄は実行する人の名前や会社名を書きます。

機器導入や建築が入ると大体1年間の計画になるかと思いますので各々にあった期間で表を作りましょう。

  • 1 現状分析:代表による現状分析、問題点の抽出
  • 2 対策立案:代表による問題への対策
  • 3 補助金申請
  • 4 合格発表
  • 5 交付申請
  • 6 建築工事:(株)○○による建築工事
  • 7 内装・レイアウト:社員A、Bによる内装・レイアウト変更
  • 8 サーバー契約:社員Aにより○○社にてサーバー・ドメイン契約
  • 9 生産開始:ブログ記事の生成
  • 10 事業報告

↑項目ごとの説明を入れます。

組織図

↑関連業務の経験年数等を入れると良いです。

10.応募申請枠・種類について

事業類型:通常枠

  • 認定経営革新等支援機関○○と策定。
  • 付加価値額については資金計画等の項で記述。←ここで書いてもいいですがどちらにしても資金計画を作るので後述でも良いと思います。

事業再構築要件:新分野展開

  • 弊社の主とする業種は変更せずブログの開設、執筆を行いブログ市場に進出。

①製品・サービス等の新規性要件

  • 既存事業はメンテナンス事業であり、過去にブログを開設したことがない。
  • 既存設備では対応できない為新たに設備投資を行う。
  • 競合他社は個人が多く企業にて行っている会社は少ない。
  • メンテナンス事業が開設しているブログは存在しない。

②市場の新規性要件

既存事業とブログでの客先は全く異なり、不特定多数になるため全てが新規取引になる。

③売上高10%要件

その2の事業化後5年間の売上推移にて記載。←付加価値額要件と同様後述。

11.優位性及び他社との差別化

現在既存事業であるメンテナンス事業にてブログを事業として行っている企業はなく、弊社所在地である○○区にはブログを開設している企業が存在しません。このことから大きな優位性があり、差別化も達成できます。

収益化を達成することにより多方面の顧客を確保でき、複数のブログ開設、別事業への展開にも利用できます。

↑ここも重要ポイントですので実際はもっと力を入れて書きましょう。

終わりに

これにて①補助事業の具体的取組内容については大体かけたと思います。

何回も言いますが、あくまでも例なので参考程度と考えてください。

長くなりますので次稿で②の将来の展望編を書きたいと思います。

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Posted by kanata社長